(前回はこちら)
 
・いつも通りのシナリオ準備
卓の予定がたった後はいざ準備。
上遠野卓というような「原作付きダブルクロス」をやるのは初めてだったが、元々「上遠野作品っぽい」雰囲気を遊ぶために作られたとも言えるダブルクロスにおいては、いつも通りのシナリオの流れで問題なくストーリーの組み立てが出来た。
すなわち、「能力者が出てきて日常の敵を殺す」の流れだ。
ダブルクロスにおけるUGN構成員は統和機構の戦闘用合成人間、一般高校生はMPLSと解釈し、それにシナリオで扱いやすい上遠野キャラを何人か登場させるだけで自分でも驚くくらい上遠野作品っぽい雰囲気になってきた。
(この辺りの話については「ダブルクロスと上遠野作品」というテーマで後日ノウハウや解説などをまとめておきたい)

・初心者のためのハードル下げ
今回はダブルクロス未経験者が4人、内TRPG未経験者が3人という超初心者向け卓だったので、初心者に厳しいダブルクロスというシステムをいかにして遊びやすくするかという点が最大の山場だった。
まず、2巻まである基本ルールブックも1巻のみの使用とし、さらにキャラクターもいちからのキャラメイクをせずにサンプルキャラクターのデータをそのまま使うという方法を選択した。これは通常のダブルクロスでも初心者混じりでプレイするのに定番の方法だ。
さらに、初見での理解が難しい「判定」と「戦闘での行動」をほとんど考えずに処理してもらうために、「どどんとふ」 の「チャットパレット」機能を活用することにした。
あらかじめPCが使う行動を全てまとめたテキストファイルを配布し、それをどどんとふのチャットチャットに登録することで、該当行動を選択するだけで判定が自動的に行われる。これにより、コンピュータRPGのように行動決定のボタンを押すだけで処理が進む、という感覚でゲームを進めることができるようになる。
その結果は期待通りで、判定や戦闘のルールに困ってセッション進行が極度に滞るというケースは起きず、複雑なルールに煩わされずにゲームを楽しんでもらえたようで良かったと思う。

・キャラメイク
ここまではGMひとりの卓準備の話で堅苦しい感じになってしまったが、ここからが皆と遊ぶゲーム本番。
まずセッション当日を迎える前に、プレイヤーの皆さんには時間を割いてもらい、皆でキャラメイクをすることにした。
キャラクターのデータはルールブック記載のサンプルデータそのままなのだが、「出生」「経験」「邂逅」「覚醒」「衝動」、そして「ロイス」というキャラクタープロフィール設定の基本となる要素は各自で決めていくのだ。
その各項目をプレイヤーが順番にダイスで決めて行くのだが、1つ1つの項目が決まって行くたびに「これは上遠野っぽい!」「これはおいしい!」等の反応があり、徐々にキャラクター像が出来ていくのを皆で見ていくというのは賑やかでとても楽しかった。

さらにその場で思いついた趣向として、「PCとの因縁が強い公式NPC」である「邂逅」の設定を決める際に、ダブルクロスの公式NPCの代わりに上遠野作品のキャラクターを使う方がより自然という判断で、今回は見学者だった上遠野ファンの1人が作っていた上遠野浩平ガチャというツイッター診断メーカー(名前を入力すると上遠野キャラが排出される面白ガチャ診断)を使い、それで出てきた上遠野キャラがPCと因縁があるということにしようと提案した。
その結果はというと‥‥‥

・高校生MPLSのPC1(男)
 いきなり「オキシジェンに恩がある」 という設定を引き当てて場を盛り上げる。帰国子女の設定と合わさって最高に主人公っぽい。

・統和機構エージェントなMPLSのPC2(男)
 エンペロイダーに出てきた<クエーサースフィア>箕山晶子とビジネスライクな関係。「平凡への憧れ」という美味しい設定も引いた。

・戦闘用合成人間チームリーダーのPC3(男)
 100の問答のうらっつこと三浦陽介という意外すぎるキャラクターに借りがある。これは意外過ぎる。合成人間だが、育ての親が有名人らしい。

・合成人間チームメンバーのPC4(男)
  <スケアクロウ>こと黒田慎平に慕情を抱く‥‥‥ほほう‥‥‥。さらに「古強者」の設定も組み合わさり、とてもハードボイルド。せっかくなのでという流れでピジョンのロイスも取得。

・合成人間エージェントのPC5(女)
 その主人はなんと、百面相のパール。ダブルクロス、それは裏切りを意味する言葉‥‥‥。 出自は「資産家」でお嬢様。パールに続いてジィドとのロイスも取って因縁が凄い。

‥‥‥というように、様々な方向から意外な人物と関わりを持っている凄いメンバーが揃うという結果となってしまった。
上遠野ファンからしてみれば、この段階からしてもうすでに物凄く面白く、キャラメイク作業は大いに盛り上がり全員のテンションを上げた。
かくして出来上がった皆の素晴らしく上遠野っぽいPCが、どのような物語を作っていくのか?
期待に胸を膨らませつつ、セッション当日を迎えることとなったのである。